ついにホーム復活だ!

 東日本大震災から50日目。当時、考えられなかったホーム開幕戦が今日29日、仙台(対浦和)とプロ野球楽天(対オリックス)で行われる。仙台は午後2時のキックオフ(ユアスタ)前、ベンチ入りメンバー外の選手が異例の募金活動を行う。左膝手術でリハビリ中のFW柳沢敦(33)も参加する予定。ピッチに立つ選手だけでなく、ベガルタ全体が復興への1歩を後押しする。

 ピッチには立てなくても、リハビリ中の柳沢主将も復興の先頭に立つ。23日、川崎Fとのリーグ再開戦の劇的逆転勝利(2-1)で勢いに乗る仙台は、ベンチ入りメンバー外の選手も記念すべきホーム開幕を盛り上げる。試合開始約1時間前からユアスタのコンコースで募金活動を行うことになった。

 東北サッカー協会が開設した「東北サッカー未来募金」が2カ所、Jリーグの「TEAM

 AS

 ONE」が1カ所、ベガルタの「がんばろう宮城・東北」が2カ所の計5カ所。柳沢主将らメンバー外の10人が分かれて行う。

 実行に移すには悩みがあった。選手会長のDF渡辺は「同じ被災地の方々に募金を求めるのには抵抗があった」と明かす。3日からキャンプを張った千葉・市原市でも募金の話が出たが、「被災地から来て募るのもどうなのか」と葛藤してきた。

 渡辺

 1カ月半がたち、元気になってスタジアムに足を運んでくれている人もいると思う。津波で家族や家をなくした方々のためになればと。ボランティアに行きたくても行けない方や、同じ被災地だからやりづらいと思っている方々もぜひ、募金に参加してほしい。

 普段から「何をしたらいい」と話し合いを求めてくる柳沢主将も参加する予定。自らも12日に左膝を手術したばかりだが、渡辺は「俺達にとって心優しき兄貴ですから」と全幅の信頼を置く。復興への力が、ユアスタに続々と集まっている。【三須一紀】