<J1:C大阪1-1新潟>◇第8節◇29日◇金鳥スタ

 C大阪の日本代表MF乾貴士(22)が新潟戦で今季リーグ初得点を挙げた。前半42分、FWピンパォンからのパスを受け、冷静に蹴り込んだ。視察に訪れた日本代表ザッケローニ監督の前での“代表定着アピール弾”。引き分けに終わり、今季初勝利を逃したが、昨年から続く金鳥スタでの不敗神話は9に伸ばした。

 「完璧なカウンターでした。ピンパォンがよく粘っていいパスを出してくれた。ほとんどピンパォンのゴール。しっかり決められてよかったです」

 乾には、4月中に決めたい思いが強かった。クラブでは今月末までのグッズの売り上げの一部を東日本大震災の復興義援金として寄付することになっていた。個人グッズの売り上げは乾がチームトップ。自らの得点はグッズの売り上げにも直接影響する。「そういうのにもつながるんで決めたい」という有言実行のゴールで、被災地のファンも激励した。

 引き分けの結果に「(ザッケローニ監督は)関係ない。チームが勝たないと意味ない」と、笑顔はなかった。それでも金鳥スタでの不敗記録は9(6勝3分け)に伸びた。次こそ今季初勝利をつかむ。【福岡吉央】