J2札幌DF櫛引一紀(18)が、明日21日の鳥栖戦(ベアスタ)でDF選手としてクラブ史上最年少出場することが濃厚となった。開幕6試合にセンターバックで先発出場した山下達也(23)が19日、体調不良のため練習を休んだ。23日にも精密検査を受ける予定で鳥栖戦は欠場が確定した。この日の紅白戦で石崎監督は新人櫛引を代役で起用。J未経験のDF抜てきで、窮地を乗り切る構えだ。

 櫛引にようやくチャンスが来た。鳥栖戦に出場すればDF登録ではクラブ最年少の18歳3カ月9日でのJデビューとなる。3月13日北九州戦も右サイドバックでの先発出場が濃厚だったが東日本大震災のため順延。同期三上も前節鳥取戦で2発と結果を出しただけに「僕も早く出たかった。泥臭く体を張ったプレーをしたい」と意気込んだ。

 この日の練習では、U-18代表候補合宿から合流直後ながら主将の河合とコンビを組み守備に奮闘。石崎監督も「代表で実戦はこなしている。試合勘は問題ない」と話した。クラブでは守備的ポジションはすべてこなす“今野2世”と期待。その今野も01年4月の東京V戦で初出場初アシストを記録し、札幌の柱、日本の柱へ成長した。山下離脱は痛いが指揮官も「いい仕事をすれば世代別代表にも貢献できる。チャンスをつかめ」と18歳の才能にかける覚悟だ。

 4月末、U-18代表の遠征から戻ると、寮に置いていた自転車が盗難に遭った。そのため“新車”のカギを2つに増やした。「もう盗まれるのは嫌ですからね」。鉄壁の“クシナチオ”で、今度は札幌ゴールに堅いカギをかける。【永野高輔】