<J1:浦和3-0福岡>◇第17節◇22日◇埼玉
浦和が再び、輝き出した。福岡を下し、59日、10試合ぶりの今季2勝目を挙げた。前半は0-0で折り返したが、後半で一気に3得点。後半8分、キャプテンのMF鈴木啓太(29)のゴールで口火を切ると、MFマルシオ・リシャルデス(29)、FWエジミウソン(28)が続いた。18歳の新人MF小島秀仁を初先発させるなど、新たな流れをつかんだチームが、一気に上昇気流をつかむ。
暗く、長く、曲がりくねったトンネルを抜けて、出口にたどり着いた。最下位の福岡相手とはいえ、3-0の快勝。4月24日名古屋戦以来となる、今季2勝目を挙げた。順位はJ2降格圏だった16位から14位へ上がり、クラブ記録タイの9戦勝ち無しという不名誉な戦績も断ち切った。ペトロビッチ監督(45)は会見で次々と選手の名前を挙げ「全員が非常にすばらしかった」と、満面の笑みを浮かべた。
後半に、厚い攻撃力が結集した。ハーフタイム、選手は「後半15分までに絶対に点を取ろう」を合言葉にし、有言実行した。同8分、ゴール前の密集からFWマゾーラ、MFマルシオ・リシャルデスと短いパスをつないでMF鈴木が右足シュート。赤に染まるサポーター席に駆け寄った。鈴木は「みんなが連動した、いい形のゴールだった」と冷静に振り返った。さらに同28分、MFマルシオ・リシャルデスが追加点を挙げ、選手が集まってゆりかごパフォーマンスを披露した。
ダメ押し弾は、カタールのアルガラファに移籍が決まっているFWエジミウソンだった。同46分、左サイドのMF柏木のクロスに、1トラップから右つま先でシュート。「まだ分からないが、僕にとって浦和で最後の試合かもしれなかった。最後の役割は、浦和のために仕事をして、メモリアルに残れば」。試合後にはサポーター席にユニホームを投げ入れ、タオルマフラーを受け取った。その言葉、行動には浦和への愛情が詰まっていた。
ペトロビッチ監督の大胆な手術が功を奏した。先発を前節から4人入れ替え、高卒新人のMF小島、今季初スタメンのMF山田直、FWマゾーラら若手選手が勝ちを呼んだ。ホームでは09年最終節以来564日ぶりに先発したMF山田直は、「点を入れたときに選手全員で集まって、サポーター席に行った。喜び合うことが大事だと思う」。
それでもDF永田は「今日勝って、気を抜いたらまた同じこと。この試合をいいきっかけにしないといけない」と、言い聞かせるように話した。ここからが、ペトロ浦和の再スタートだ。【保坂恭子】



