<J1:横浜1-0磐田>◇第22節◇20日◇日産ス
FW小野裕二(18)の決勝ゴールで、横浜が磐田を下し、優勝争いに踏みとどまった。5試合ぶりの先発で、後半39分に右足アウトサイドでゴールに蹴りこんだ。4日に「ミスター・マリノス」松田直樹さん(享年34)が急逝してから初のホーム戦。大先輩にささげる1発だった。
FW小野が、故松田直樹さんにささげる決勝ゴールで磐田を下し、横浜が優勝争いに踏みとどまった。
18歳には1つの言葉が去来していた。「お前みたいに仕掛けられたら絶対にDFは嫌だ。ドンドンいけ」。約1年前、ユース所属でトップチームに合流。そこには面倒見の良い先輩がいた。4日に逝去した松田直樹さんだった。いまもかけられた言葉を思い出す。
だから、ボールを持ったら相手が何人いようと構わずドリブル突破で仕掛けた。諦めずに後半39分。DF栗原のクロスがエリア内で足元に入る。無我夢中で、右足アウトサイドでゴールを仕留めた。恩返しの1発。「やりました!」と思いははじけた。
松田さんは昨季でチームを離れ、約半年の付き合いだったが、思い出はいっぱいある。昨季最終節大宮戦では当時の背番号「40」の上に黒のペンで、松田さんの番号「3」と書かれ、そのままピッチに立った。「『お前は絶対に海外に行け。上に行け』。そういう気持ちが込められていたと思う」と振り返る。
5試合ぶりの先発だった。ついこの前まで、独りよがりなプレーをみせていたため、木村監督から「修業期間」と諭され、ベンチ外の日々が続いた。腐りそうになる中、松田さんの訃報が届いた。「自分はサッカーをできる。なんてつまらないことを気にしていたんだろう」。練習でも笑顔を心掛け、原点のサッカーをやる楽しみを大切にした。
「まだまだこれでマツさんへの恩返しとしては足りないです。優勝ですよ」。感謝は尽きない。大先輩が心から願った栄冠を手にするまでは。【阿部健吾】




