<J1:清水3-0甲府>◇第30節◇23日◇アウスタ

 狙いすました先にゴールが待っていた。清水FW高木俊幸(20)が納得の1発で先制点を決めた。降格争いをする甲府に対し、前半36分、ペナルティーエリア内でボールを保持すると、相手DF2人をかわし、ゴール右へ流し込んだ。自身リーグ8戦ぶりとなる今季2号。20歳の一撃にMF小野伸二(32)FW大前元紀(21)も続き、3得点を挙げて快勝した。

 1本のシュートが成長を証明していた。前半36分。ペナルティーエリア内でボールを保持した高木は本人もびっくりするほど冷静だった。「あそこでトラップする余裕があった。時間があって迷ってしまったぐらいです」。相手DFをあっさり抜き去ると、ゴールへの視界が広がっていた。「体勢がちょっと崩れたけど、倒れながら、しっかりと狙って蹴り込めた。全てがイメージ通り」と、振り返った。

 自他共に認めるファインゴールだった。積極性が売りの高木だけに1人で7本ものシュートを打ちまくった試合もある。だが、クロスバーをはるかに越えたり、GKの正面を突いたりでゴールは奪えなかった。「打てばいいってもんじゃない。決めないと意味がない」と、落ち込んだこともあった。そんな中、この日は1発で仕留めた。ゴトビ監督も「アクションした後に、しっかりとゴールを見て決められた。エキサイティングで素晴らしいゴールだった」と絶賛した。

 初選出されたロンドン五輪を目指すU-22日本代表候補合宿(17~19日)などの疲労も考慮され前半45分のみの出場となった。MFユングベリ-小野-大前が抜群の連係プレーを披露した3点目をベンチから見つめ「あの場にいたかったな」と、うらやましがったのも常に向上心を忘れない高木らしさだ。「代表もしっかり意識してやっていきたい。今日は、分かりやすい形で結果を出せたのは良かった」。高木の積極性に「精度」が加わり、確かな経験となって培われていく。【為田聡史】