<天皇杯:東京1-0C大阪>◇準決勝◇29日◇長居

 「14年にブラジル(W杯)で会おう!」-。

 今季限りで退任するC大阪のレビークルピ監督(58)が、最後のメッセージを残した。敗戦直後のロッカールーム。悔しさでぼうぜんとする選手たちに向けて、笑顔を交えながらいつもの口調で語り出した。

 「君たちは若い。もっと、もっと成長できるんだ。2014年、ブラジルで君たちを待っている」

 若手を積極起用した指揮官らしい、愛のメッセージだ。07年途中から就任し、まだ無名だった香川を、良い時も、悪い時も使い続けて日本代表に育てた。他クラブでくすぶっていた乾(ボーフム)や家長(マジョルカ)を拾ってきては、欧州移籍を実現させた。貫いた信念は揺るがず、この日の先発平均は23・5歳。U-22(22歳以下)日本代表で20歳のMF扇原と21歳の山口、さらにはA代表にもなった22歳のMF清武…。14年W杯ブラジル大会で日本の中心になる原石を探しては、ピッチへ送り出した。

 「日本での5年間は忘れない。攻めるメンタリティーを植え付けること、そして若手を起用すること。この2つはチームに残すことができた。必ず日本サッカーの未来につながる」

 J2だったクラブに地道に種をまき、今季は初のACL出場も果たした。だがクラブ初のタイトルをかけた天皇杯は、あと1歩で夢が消えた。くしくも優勝へ王手をかけた05年リーグ戦で、残り1秒で失点しV逸した時と同じ東京が相手だった。当時のメンバーでもあるDF酒本は「悔しいし、悲しい」。清武も「タイトルを取りたかった。守備陣が踏ん張ってくれたのに、ボクたち(攻撃陣)のせいです」とうな垂れた。

 反骨心をバネに来季、新生C大阪は再出発する。ブラジルW杯での再会を願って。【益子浩一】