佐賀から「がばい旋風」だ!

 今季からJ1昇格する鳥栖は14日、新加入選手・新体制発表を佐賀県鳥栖市のべアスタで行い、佐嘉神社(佐賀市)での必勝祈願に臨んだ。今季スローガン「超!結戦」のもと、J1残留とリーグ戦7位以内を目標に掲げた。資金難で十分な補強ができたとは言えないが、尹晶煥監督(38)は「大きな目標設定だが、限界を超えた戦いをみんなでやっていくつもり」と意気込んだ。

 人口約7万人の小さな街・鳥栖からのJ1初挑戦ではあるが、目標は高く設定した。新体制発表会見でクラブが掲げた目標は残留はもちろん、リーグ戦7位以内、13勝、勝ち点40以上だ。尹晶煥監督(38)は「大きな目標設定だが、限界を超えた戦いをみんなでやっていくつもり」と強気だ。

 横浜から期限付き移籍したDFキム・クナンら新加入8選手も気を引き締め直した。約1500人が駆けつけたベアスタでは全選手・スタッフの紹介と監督らのあいさつが行われた。今季スローガン「超!結戦」。鳥栖に関わるすべての人が一丸となり、限界を超えた戦いで勝利を目指すという思いが込められている。

 今季予算は約4億円増の約11億円。選手・スタッフの人件費に至っては10年度のJ1平均を大きく下回る約3億5000万円しかない。J1最少規模でやりくりするつもりだ。J1で専用クラブハウス、グラウンドを持たないのは鳥栖だけだ。そんな逆境を跳ね返すべく、16日の始動2日目から3部練習を敢行。沖縄キャンプも11年ぶりに復活する。甲府から新加入のDF小林久晃(32)は「ベースのハードワークで貢献したい」という。残留へ向け、厳しい戦いが予想されるが「雑草魂」を胸に戦い抜く。【菊川光一】

 ◆サガン鳥栖

 1991年(平3)に社会人リーグPJMフューチャーズ(静岡・浜松市)から誘致要請を受けた佐賀県協会が誘致。93年JFL参加、94年に移転し鳥栖フューチャーズと改称。96年にメーンスポンサーのPJMジャパンが撤退。97年に運営会社が累積赤字で解散し新運営組織「サガン鳥栖」発足。99年のJリーグ2部制移行に伴いJ2参加も、経営難で05年に運営会社「サガン・ドリームス」に営業権譲渡。昨季J2の2位で悲願の初昇格を果たす。