頼もしい男がピッチに帰ってきた!!

 清水のMF小林大悟(28)が13日、昨年7月23日、C大阪戦以来の実戦復帰を果たした。京都との練習試合の3本目に出場すると、同13分には絶妙なスルーパスでいきなりゴールを演出した。試合もFW大前元紀(22)の2戦連発、今季対外試合で初完封など4-0で快勝。3月10日の開幕戦に向けて、収穫の多い3戦ぶりの白星だった。

 確かな手応えをつかんだ45分間だった。3本目にピッチに立つと小林がいきなり魅せる。同13分、中盤でフリーでボールを受けると、土砂降りの雨を切り裂くような1本のきれいなスルーパスでMF石毛秀樹(17)のゴールを演出した。小林は「石毛が『ここに出せよ』ぐらいの良い動きをしていた。僕は出しただけですよ」と謙遜するが、完璧なパススピード、タイミング。背番号「10」の完全復帰を印象づけるのには十分だった。

 昨季7月23日のC大阪戦を最後に腰痛で離脱して以来、205日ぶりの実戦。「相手が結構ハードに来ましたね」。時には激しいタックルを受けながらも試合を楽しみ、中盤のど真ん中でゲームを組み立てた。アフシン・ゴトビ監督(48)も「この試合で自信、開幕への道筋をつくれたと思う。コンディションも毎日良くなっている。もともと素晴らしい選手だし、チームの助けになる」とうなずいた。

 この日、チームは大前の2戦連続ゴールに加えてFW樋口寛規(19)も2戦3発となる2ゴールを挙げた。ここ3戦12失点だったDF陣も最後まで集中を切らさずに今季初完封で応えた。小林は「明るい雰囲気でチームは強くなっていく。自分もまずはポジション争いに勝つためにとにかくコンディションを上げていく」。明るい兆しが見え始めたチームとともに上昇気流に乗りたい。【前田和哉】