いよいよ開幕だ。9日、完全非公開で最終調整を行った清水アフシン・ゴトビ監督(48)は2年目のシーズンで、いきなり迎える強豪名古屋戦にも、確かな手応えを口にした。

 公開された冒頭15分間、ゴトビ監督に笑顔は一切なかった。ウオーミングアップを行う選手を真っすぐ見詰め、グラウンドにはほどよい緊張感が漂っていた。雨の中、約60分間の総仕上げを終え、取材に応じた。「すごく良い感じです。この日を始動した1月16日からずっと待っていた。ゆっくりとチームは良くなってきた。良い試合ができると思います」。

 就任1年目の昨季は11勝12分け11敗の10位に終わった。だが、1年間を通して基盤は構築された。2年目の今季は始動からここまで、DF姜成浩(24)ら3人の移籍組。MF河井陽介(22)FW白崎凌兵(18)といったルーキーも積極的に起用。既存メンバーとの融合に集中した。鹿児島キャンプからは5戦負けなしで「各ポジションに質の高い選手が2人いる。若手も非常に良くやっているし、誰が出ても問題はない」。開幕戦は移籍組3人とルーキー河井、李記帝(20)の先発起用、さらに白崎とDF犬飼智也(18)のベンチ入りが濃厚だ。

 昨季、名古屋とは1勝1分け。10月の2戦目ではシュート数でも23対4本と圧倒し、苦手意識はない。ゴトビ監督は7日夜にACL名古屋-城南一和戦をスタジアムで観戦し、イメージを膨らませた。「セットプレー、カウンターに加えて個でも状況を変えられる選手がいる。だが、昨年のように試合を支配し、我々のサッカーをすれば優位に展開できる」。クラブは20周年を迎え、自身も年男という縁にも特別なものを感じている。「エスパルスにとって特別な年になる」。悲願のタイトル獲得に向け、まずは開幕戦を制する。【前田和哉】