<J1:川崎F1-0新潟>◇第1節◇10日◇等々力

 川崎Fが、被災者と一緒に勝利をつかんだ。サポーターが陣取るスタンドの一角に、モニター画面が設置された。津波の被害を受けた陸前高田市内でパブリックビューイングを開催。会場で声援を送る広田小の児童らの姿がモニターに映し出され、一緒に応援しているようなバーチャル空間が誕生した。被災地も一体となった声援を受け、前半11分、FWレナト(23)のFKをDF実藤友紀(23)が頭で合わせて先制。この1点を守り抜いた。

 昨年4月、陸前高田の教員の依頼がきっかけで、クラブがオリジナル算数ドリルを同市に寄付。9月には選手全員で現地を訪問し、10月16日の等々力での試合に小学生を招待した。くしくも、その時の相手が新潟で、1-2で敗れていた。その試合で右手首を脱臼し、戦列を離れていた実藤は「今日はやってやろうという気持ちが強かった。陸前高田のみなさんには、諦めない大切さを伝えたかった」と振り返った。

 Jリーグも見習うほど、クラブは積極的に支援活動を展開する。昨年だけで4733万6017円の義援金を集めた。震災から1年となる今日11日は、選手自らがJR武蔵溝ノ口駅前で募金を呼び掛ける。試合後、「陸前高田サイコ~!」というメッセージを掲げたMF中村憲剛(31)は「実際に被災地に行ってみないと分からないことがあった。僕らがそれを、フロンターレを通じて伝えていかないといけない。これで終わりじゃないんで」と力強く言った。【由本裕貴】