<J1:仙台4-0東京>◇第7節◇21日◇ユアスタ

 仙台が強さを誇示した。東京相手に4発&5試合ぶりのゼロ封で完勝。手負いのFW赤嶺真吾(28)が口火を切った。前半48分にロングボールに抜け出し、無駄のないトラップから右足で流し込んだ。「ご心配ご迷惑おかけして、恩返しじゃないけどゴールできて良かった」。ヒーローが謝ったのには理由がある。18日のナビスコ杯川崎F戦後に急性胃腸炎を発症。40度近い高熱を出し、宿舎から救急搬送された。この日もハムストリングに違和感を訴えて前半のみで退いたが、古巣相手に初ゴール。手倉森誠監督(44)を「やれる時間の中で出し惜しみなく、大きな仕事をやってくれた」とうならせた。

 後半に3点を追加すると、圧勝劇のクライマックスは後半45分。右膝内側側副靱帯(じんたい)損傷で離脱していた大黒柱のMF梁勇基(30)が、今季初めてピッチに立った。開幕から梁の定位置である左サイドハーフを務めた関口は「僅差のゲームだと負担をかける。梁さんを出せるゲームがつくれた」と、3戦連発で復帰の舞台を整えた。前日20日に手倉森監督から直接電話でメンバー入りを伝えられ、試合前から“梁勇基コール”でサポーターに迎えられた梁も「グッと来るものがあった。足の痛みを忘れさせてくれた」と感慨深げ。背番号10が戻った首位仙台に、当面の死角は見当たらない。【亀山泰宏】