<J1:C大阪1-2神戸>◇第10節◇6日◇金鳥スタ

 神戸がC大阪を下し、G大阪との開幕戦に続く関西ダービー2連勝を飾った。後半23分、鹿島から新加入したMF野沢拓也(30)が決勝のミドル弾。和田前監督解任後、暫定的に指揮をとる安達亮ヘッドコーチ(42)が3日の大宮戦に続いてチームを今季2度目の連勝へと導き、リーグ戦5勝5敗の五分に戻した。

 チームの思いを一身に背負い、左足を振り抜いた。後半23分、MF森岡からパスを受けたMF野沢が、ゴール右隅に決勝点となるミドル弾。ベンチに下がった主将FW吉田から「頼むぞ!」と、キャプテンマークを受け継いだ直後の決勝弾でチームに連勝を運んだ。

 「スペースをうまくつくってシュートする意識が結果的に点につながった。苦しい場面も多かったけど、2連勝は自信につながる」

 鹿島時代にも巻いた記憶がないというキャプテンマーク。ピッチを離れれば、温和な語り口で周囲を和ませる30歳は「僕はそういう(主将の)タイプじゃないけど、これは神戸の絆でもあるし、皆の思いもあった。その力で点が取れた」と、チーム全員の気持ちを代弁した。

 これで和田前監督解任後、安達ヘッドが暫定的に指揮をとって2連勝。前節3日の大宮戦に続き、中2日の厳しい日程でも運動量を求められる堅守速攻のサッカーを徹底し、少ないチャンスをものにした。FW吉田は「皆がやるべきことをはっきりさせて、責任を持ってやっている。とにかく勝ちたいという気持ちが結果に出たのかな」と、はにかんだ。

 クラブは次期監督候補として前G大阪監督の西野朗氏と交渉を進めているが、次節12日の名古屋戦も安達ヘッドがチームを指揮することが濃厚。安達ヘッドは「次の試合が最後と思ってやるしかない」と、気を引き締めた。持ち味であるショートカウンターで走り勝つサッカーに原点回帰した神戸。和田前監督の解任ショックから立ち直り、クラブ史上初のACL出場権獲得に向け、再び走りだした。【福岡吉央】