<J2:町田0-0山形>◇第20節◇17日◇町田

 山形は最下位町田とスコアレスドローに終わった。立ち上がりから中盤にボールが収まらずにバランスを欠いて苦戦。後半は攻勢に出て、24分にはDF石川竜也(32)がPKを蹴ったが、GK修行(しゅうぎょう)智仁の好セーブにあって絶好のチャンスを逃した。これで今季最長の3戦勝ちなし。前節の首位陥落に続き、3位から4位へ順位を下げた。

 最下位相手に苦戦した。勝ち点3を奪い、首位再浮上への足掛かりにするはずだった。だからこそ落胆の色が濃かった。試合後の山形イレブンはまるで負けたかのように下を向き、町田を救った修行のヒーローインタビューを聞きながらピッチを後にした。「多くのサポーターの応援を受けたけど、勝ち点1の上積みにとどまった」。奥野監督も悔しさをにじませていた。

 前半は中盤にボールが収まらず、両サイドバックがなかなか攻撃に参加できなかった。左右への展開は本来ならMF宮阪政樹(22)が担う役割だが、今節は累積警告で出場停止。奥野監督が「いつも出ている選手がいないと、微妙にバランスが変わることもある」と振り返ったように、うまく攻勢につなげられなかった。MF秋葉勝(28)も「今日はうまくはまらなかった。チーム全体として行くに行けない状況になった」とズレを感じていた。

 後半は、FW山崎雅人(30)が「前を向ける場面は積極的に前を向いていくように修正した」と話すように攻勢に出た。だが意思疎通がうまく図れず、ラストパスの精度も欠く時間が続いた。そして2戦連続の悪夢。24分、MF秋葉がペナルティーエリア内で倒されてPKを獲得。FW中島裕希(28)との話し合いの末、石川がキッカーに名乗り出た。だがゴール左を狙ったシュートは、修行の好判断の前に散った。前節湘南戦(13日=1●2)では山崎がPKに失敗。「負の連鎖」を断ち切れなかった。

 今季最長の3戦勝ちなし。加えて次節24日の徳島戦は、攻撃の大黒柱である山崎が累積警告で出場停止。厳しい状況は続く。

 それでも光明は差していた。試合後のピッチ上には、すでに前を向く選手たちの姿もあった。出番のなかったGK中村隼(20)、DF宮本卓也(28)、MF宮沢克行(35)、MF永田亮太(27)が手倉森ヘッドコーチ指導の下、“秘密の特訓”を敢行。観客も帰り、照明も薄暗くなった敵地で汗を流した。4位に後退しても、下を向いてばかりはいられない。【湯浅知彦】