<J1:広島3-0川崎F>◇第18節◇14日◇広島ビ

 広島がFW佐藤寿人(30)の2発を含む3得点で川崎Fに完勝。首位に立った。仙台が名古屋と引き分け、勝ち点と得失点差で並んだが、総得点で仙台を上回った。

 1点先制した後の前半15分、佐藤はGKへのバックパスに鋭く反応した。GKと交錯しながらも押し込んだ。「チャンスはあると思っていた。緩急をつけた動きをすれば、うまくいくと思っていた」と振り返る。

 さらに同19分には自ら右サイドのMF石川にパスを出し、折り返しのクロスをヘッドで合わせて自身2点目をたたき出した。「(石川が)中を見てくれたので思っていた通りだった」と連係から生まれた得点だ。14得点目を挙げ得点ランキングでは独走状態だ。

 柏木、槙野、李と毎年のように主力が抜けた。佐藤は「若手が頑張らないと選手層が厚くならない。もっと練習を積んでほしい」と厳しい目を向けていた。

 両サイドのミキッチ、山岸をケガで欠く中で、先制点を挙げたMF清水、3点目をアシストした石川の若手が結果を残した。「まだまだの部分もある。だが、クオリティーは上がってきた」とチーム全体の底上げを実感していた。

 02年前期開幕戦以来の首位。シーズン中盤以降なら94年前期優勝して以来だ。実質18年ぶりの首位に立った。佐藤は「喜びはあるけど、まだ途中」と気合を入れ直す。チームにとっても佐藤自身にとっても、初の優勝へのこだわりは強い。【中牟田康】

 ◆広島のJ1での首位

 2ステージ(S)制だった02年第1S開幕節以来10年ぶり。開幕直後を除く第5節(開幕5戦消化)以降では、ステージ優勝した94年第1S最終節(22節)以来18年ぶりで、これは市原(現千葉、93~03年)柏(97~07年)清水(99~09年)の3チームが記録した10年ぶりを更新する「J1史上最長ブランク首位」記録。