<J1:G大阪1-1新潟>◇第25節◇15日◇万博

 G大阪が試合終了直前の失点で勝ち点3を逃した。ともにJ1残留を目指す新潟に後半46分に同点に追いつかれ、引き分け。残留争いを繰り広げるチーム同士の裏天王山は互いに痛み分けとなった。ともに勝ち点24で並んでいた大宮が勝ったことで、再び順位はJ2降格圏の16位に転落。残り9試合、逆転でのJ1残留を目指すしかなくなった。

 痛すぎる引き分けだった。試合終了のホイッスルが吹かれると、松波正信監督(37)は雨でぬれた髪をかきあげ、苦い表情でピッチを見つめた。スタンドのサポーターからは、あいさつに出向いた選手たちに容赦ないブーイングが浴びせられた。J1残留を争う下位チームとの今季最後の直接対決。勝ち点3をつかみかけていただけに、そのショックは大きかった。

 前半はG大阪らしい攻撃的なサッカーで試合を支配した。左太もも裏痛から復帰したFWレアンドロが今季7点目となる先制のゴール。新潟を前半シュート0本に抑えた。だが運動量が落ちた後半は守勢に回り、2点目を奪いにいけなかった。そして後半46分、DF岩下が新潟FWミシェウを倒してPKを献上。土壇場で同点に追いつかれた。

 松波監督は「(2点目を)取りにいく力が少なかった。最後は押し切られた」と力なく話し、日本代表DF今野は「見えないプレッシャーから来る疲れがあったのかもしれない。どうしても(勝ちたい)という気持ちが強すぎて硬くなってしまった。勝っているのに焦りが出てしまった」と振り返った。今季、終盤に失点を重ね、勝ちを逃してきた悪い癖が、この日もマイナスに働いた。

 試合後にはゴール裏の約50人のサポーターがスタンドに居残り、約2時間籠城。梶居強化本部長らが約30分間話し合いに応じる事態となった。梶居強化本部長は「監督交代は考えていない」と断言し「これからどう戦っていくか、監督とももう1回意思の擦り合わせをすると話をした」と明かした。残り9試合は上位との対戦が多く、ホームゲームはわずか3試合。厳しい状況は続くが、その中で意地をみせるしかない。【福岡吉央】