<J1:甲府1-2C大阪>◇第2節◇9日◇中銀スタ

 C大阪が新エースの2戦連続ゴールなどで甲府を2-1で下し、J1では98年以来15年ぶりの開幕2連勝を飾った。MF柿谷曜一朗(23)が前半6分、開幕2戦連発となる先制点で勢いに乗ると、同点で迎えた後半34分にMF山口蛍(22)が決勝点を挙げた。敵地で貴重な勝ち点3をつかんだC大阪は3位に浮上した。

 気温25度を超えた甲府盆地の暑さを吹き飛ばすゴールだった。C大阪の新エースMF柿谷が開幕新潟戦に続くゴールを決めた。前半6分、FW杉本のスルーパスに抜け出し、ゴールネットを揺らすと、開幕戦では中途半端に終わった飛行機ポーズのパフォーマンスもバッチリ決めてみせた。

 「最初だったから狙って打ったらいい感じに入った。いい入り方ができたと思う」。U-17日本代表時代の恩師、甲府城福監督の前で成長した姿をまざまざと見せつけた。

 守っても前線で最後まで相手選手を追いかけ回した。レビークルピ監督は「守備でも決定的な仕事を2回した」と絶賛。「技術、フィジカルは最高のコンディションにある。今季は最高のシーズンを送れる可能性は十分ある」と、柿谷を高く評価した。

 ピッチを離れれば、C大阪から海外に羽ばたいていったMF香川(マンチェスターU)、清武(ニュルンベルク)ら、日本代表でもプレーするかつての仲間の試合をテレビで見るのが日課。この日の会場には日本代表スタッフは視察には訪れなかったが、柿谷も当然、日本代表入りを狙っている。「結果を残し続けないと、今のままではまだ無理だと思う」。自分に厳しいが、W杯ブラジル大会行きはあきらめてはいない。

 敵地で勝ち点3をつかんだが、1失点を喫した守備のリーダー&主将のDF藤本に「『(一時は)追いつかれたからヒーローになられへんかったやん!』って言っときました」と、柿谷はジョークで試合を振り返った。10代の頃から天才と言われた23歳は、今まさに完全開花しようとしている。【福岡吉央】