<J1:浦和1-0名古屋>◇第2節◇9日◇埼玉

 5万2293人に勝利を届けた。ホーム開幕戦で浦和が名古屋を破り、98年以来、15年ぶりの開幕2連勝を飾った。ホーム開幕戦での5万人超えは10年以来3年ぶり。大観衆の前で、MF宇賀神友弥(24)が決勝ゴールを決めた。浦和は中2日で、アジア・チャンピオンズリーグ第2戦、ホームでムアントン・ユナイテッド(タイ)戦に臨む。

 冷静な試合運びで5万2000人を熱狂させた。浦和が、ホーム開幕戦としては3年ぶりに大台に乗せてくれたサポーターへ、白星で応えた。守りを固めてきた名古屋を相手にゴールをこじ開け、15年ぶりの開幕連勝だ。

 前半は無得点。思うようにパスが回らず、相手のシュートはポストに助けられた。名古屋の術中にはまりかけたが、イレブンは冷静だった。DF槙野は「ハーフタイムで、後半は絶対にスペースが出来るとみんなで話していた」と共通の意識を持っていた。5万人の声援が重圧になりかけたが、ピッチ上で慌てる選手はいなかった。

 後半9分の決勝点は宇賀神から生まれた。「慎三くん(興梠)と目が合った」と言う通り、パスを信じてDFラインの裏へ走った。右足で合わせたシュートは、GK楢崎の指先をかすめて決まった。「決勝ゴールは初めてなので気持ちいい」。昨季終了後は海外移籍も視野に入れたが「1年間、成長の手応えがあった。もっとたくさんのことをミシャ(ペトロビッチ監督)のもとで学べると思った」と残ることを決めた。

 宇賀神という神様は、人の頭で体はへびの姿。巳(み)年の13年頭、ツイッターで「今年は宇賀神の年」と宣言した。「言った手前、今年1年通じてしっかりとやらないと」。リーグ戦2試合ともフル出場。監督からの厚い信頼にゴールという結果で応えた。

 1-0というスコア以上の完勝。浦和が大きな自信を胸にACL、そしてアウェーの大分戦へ向かう。【高橋悟史】