<J1:C大阪1-1仙台>◇第4節◇30日◇長居
収穫と課題が詰まった意義のある勝ち点1だった。仙台がC大阪と引き分けた。開幕3連勝中の相手と敵地で渡り合ってのドローは及第点。ボールポゼッションなど内容的にも悪くなかった一方、今季取り組む「4-3-3」の修正ポイントも浮かび上がってきた。この試合を含め、15日間で5試合を戦う過密日程がスタート。タフな状況下で、貪欲に高みを目指す。
試合後、手倉森誠監督(45)の表情は穏やかだった。「どっちに転んでもおかしくない好ゲームで、勝ち点1は妥当。勝てなかったけど、アウェーで引き分けて、セレッソを走らせなかったことを良しとしたい」。後半は一進一退の攻防。得点は前半32分のオウンゴールのみだが、ここまで負けなしのC大阪相手にボールを保持して主導権を握る時間帯も少なくなかった。今後につながる意味でも、悪くないドローといえる。
ただ、タイトルを目指す上で重要なオプションとなる3トップシステムに課題が見えたのも事実だった。
(1)マークをはっきり
後半6分の失点シーン。MFシンプリシオにやすやすと突破を許した。ボランチが1枚になる分、中央の選手への寄せが甘くなりがちになる。DF渡辺は「ああいうところが『4-3-3』のデメリット的な部分。誰がボールにいくのか、修正したい」と話した。
(2)ゴールに近い位置でボールを回す
パスを回しながら相手を食いつかせ、守備網にスキをつくるのがポゼッションサッカーの1つの目的。この日もじっくりと機会をうかがうようなパス交換が見られたが、MF佐々木は「ボールは回っている。あとは、もう少しゴールに近い位置で回せていれば」と反省を口にした。
(3)セカンドボールを拾う
DF田村は「バルサ(バルセロナ)はセカンドボールをちゃんと拾うから、連続して攻撃を続けられる」と指摘。実際、後半24分にMF富田を入れると決定機も増えており、昨季のように高い位置でボールを奪えればゴールは近づく。
システムの完成度は着実に高まっている。GK林は「こういう試合を続ければ、結果はついてくる」とうなずき、手倉森監督に至っては「東北はこれから桜が満開になる」とニヤリ。4月2日のFCソウル戦では、さらに進化した姿を見せる。【亀山泰宏】