<J1:大宮1-0浦和>◇第7節◇20日◇NACK
大宮が、Jリーグ新記録となる18戦連続無敗を達成した。ホームに浦和を迎えた「さいたまダービー」で、前半ロスタイムに挙げたFWズラタン(29)のゴールを守り切り、完封勝ち。09年に鹿島が達成した無敗記録を更新した。堅守を武器に昨年9月から負け知らずで、2位に浮上した。敗れた浦和は、今季リーグ戦初黒星で後退した。
ダービーの終わりを告げる笛が鳴った瞬間、大宮イレブンは全員が手を突き上げた。ベンチ前では抱擁の輪が広がる。浦和に8本のシュートを打たれたが、決定的なチャンスを与えない完勝だった。黒星知らずの試合は18戦まで伸び、J新記録を樹立した。ベルデニック監督(63)は「自分たちに力があるということが、信じられるようになった。皆さんからも少しは評価してもらえると思う。(新記録は)何かをつかんでないクラブにとって大きな意味を持つ。クラブにかかわる人間がいい仕事をしている証しだ」と胸を張った。
抜け目なさが勝ちを呼び込んだ。前半ロスタイム、浦和が10人になった瞬間を見逃さなかった。浦和DF那須が競り合いで鼻血を出し、バックスタンド側のピッチ外で治療を受けた。出血を伴うため、ボールが外に出てプレーが止まり、審判が止血の確認をしないとピッチに戻れない。ボールをキープしていた大宮は勝負に出た。左サイドを富山、渡辺が崩す。いつの間にか、DF下平も加勢。ゴール前にはすでに2トップが走り込んでいた。最後はフリーのズラタンが押し込み決勝点を奪った。富山は「相手が1人少ないことは知っていた」と振り返り、ズラタンは「得点はみんなが助けてくれたおかげだよ」と言った。浦和は主審に抗議したが覆るはずもなかった。
試合直前のロッカールーム。NACK5として過去最多1万3016人の声が届いていた。その時、小倉勉コーチは選手に問い掛けた。「負けたくないのか?
それとも勝ちたいのか?」。ある選手は「負けたくない」と答えた。新記録がかかり、すぐ上の2位浦和とのダービー。慎重に試合に入りたい気持ちも分かった。だが同コーチは言った。「負けたくないでは、引き分けも無理。そう思っていたヤツは、その気持ちをここへ置いていけ。記録は大事だ。でもいつか途切れる。記憶にも残るプレーをしよう。途中でスタミナが持たなくなったら、それでもいいじゃないか」。前半のシュート数は6本。同3本だった浦和を積極性で上回った。
この勝利で勝ち点は17まで伸びた。横浜が負けたため勝ち点差1の2位に浮上。負けない大宮が、初の首位へじわり近づいた。【高橋悟史】



