<J1:川崎F4-2仙台>◇第7節◇20日◇等々力

 やってはいけないゲームをしてしまった。仙台がアウェーで川崎Fに大敗した。前半だけで3失点は手倉森誠監督(45)の就任後、J1ではワースト。消極的なプレーがミスを呼び、カウンターを受ける悪循環にはまった。第5節の新潟戦に続いて低迷する相手に初勝利を献上。今後は中3日でアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)ブリラム戦が控え、過酷な連戦は始まったばかり。自分たちのスタイルを忘れては、巻き返しもおぼつかなくなる。

 直前のミーティングでヒートアップしていたのか、会見に臨む指揮官の口調は熱を帯びた。

 手倉森監督

 大事にサッカーをするのと大胆にサッカーをすることは違う。(公式戦で)2連勝して、ここから強さを示そうと言ってきたが、強さを示すこととうまさを示すことは違う。つなぎ通して勝てるのはバルセロナだけ。やっぱりゴールに向かわないと。

 自滅だ。前半15分を過ぎると、ボールを回し始めた。しかし、回すだけ。クロスも、シュートもない。結果として相手に“回させられる”パスでは脅威にならないどころか、餌食にもなる。25分、左サイド深くまで進入したウイルソンがいったん下げたボールをカットされ、あっさりと失点した。和田がハンドを犯したPKもレナトのスーパーゴールも、元をたどれば敵陣で横パスを奪われてのカウンター。角田は「2点目と3点目なんか、よく分からない失点。誰も良くなかった。全体の責任じゃないですかね」と立て直せなかった約30分間を嘆いた。

 後半は前線からプレスをかけ、シンプルにゴールを目指した。セットプレーから致命的な4点目を失いはしたが、一矢報いた。移籍後初得点の石川は「向こうが3点取ったから押し込めただけで、喜ぶに値しない」と首を振るものの、本来のがむしゃらさが垣間見えたのは事実。手倉森監督が「つなぐ意識を高めすぎた結果」と戒めたように、ポゼッションサッカーへの進化を模索する中で、もともと持っていた良さまで見失ってはタイトルも遠のく。試合後、途中出場の蜂須賀は悔しさからか涙を流していた。まずはこの屈辱をACLで晴らすしかない。【亀山泰宏】