いつ取るの?

 今でしょ!

 仙台FW中原貴之(28)がJリーグでも救世主となるべくチャンスをうかがっている。24日のアジア・チャンピオンズリーグ、ブリラム戦に途中出場して後半ロスタイムに起死回生の同点ボレー。明日28日の鳥栖戦もベンチスタートが濃厚だが「ブリラム戦はチームの助けになれたことが一番良かった。結果を残すことでまた使おうと思ってもらえればいいし、いかに自分の存在をアピールしていけるか」と士気は高い。

 得点が求められる起用ならば、劣勢でのパワープレー要員。しかし、角田が「ずっと蹴ってばかりで勝てるほど甘くない。つなぐ場面と使い分けていかないと」と話すように、ロングボール一辺倒では逆に自分たちの首を絞めることになる。実際、昨季5位の鳥栖が現在15位と苦しんでいる一因でもある。中原も「展開や状況次第」と前線の“守備固め”として投入されるケースを含めて出番に備えている。ただ、ビハインドで終盤を迎えるようなら背に腹は代えられない。

 26日の練習でも華麗なボレーシュートを決め、上本から「乗ってるね~!」と歓声が上がった。今季リーグ戦では出場1試合、26分間でシュート0本とくすぶっているだけに「出た時はアピールしないと。次はないくらいの気持ちでやっている」と危機感は消えない。飢えた野獣は謙虚に牙を研ぐ。【亀山泰宏】