<J2:山形3-1富山>◇第12節◇3日◇NDスタ
個性が凝縮された会心の3ゴールだった。J2山形がホームで富山に快勝。6勝1分け5敗で勝ち点19とし、暫定6位に浮上した。J初ゴールのMF比嘉厚平(23)、2試合連続得点となった秋葉勝(29)、3点目のDF中村太亮(23)がそれぞれ「狙い通り」と振り返るゴールラッシュ。MFフランク、FW山崎らをケガで欠く中、得点力不足解消を印象づけた。
奥野僚右監督(44)の言葉が、すべてを物語っていた。「それぞれが期待通りに持ち味を表現してくれた」。最近5試合でミドルシュートによる2点だけと苦しんでいたが、3ゴールすべて違うパターンで奪ってみせた。(1)比嘉の飛び出し
狙い続けた形が実を結んだ。前半27分、2列目からDF2人の間を抜けてゴール前へ進入。「(小林)亮さんを見た瞬間に(ボールが)来ると思った」と胸トラップで相手をかわし、右足を振り抜いた。富山の高いDFラインの裏を突く攻撃は、監督の指示通り。持ち味を最大限に生かせる戦術で結果を出し「(埼玉・越谷から)両親も来てくれてたし、やっと決められてホッとした」と笑顔を見せた。(2)秋葉のシュート技術
すべてを見通しての一撃だった。後半25分、ゴール前からのこぼれ球を受けると「コースを空けて、相手が飛び込むのを待って打った」と右足でGKの手が届かない逆サイドに沈めた。昨季チーム2位の8得点を挙げながら、今季は開幕から守備に専念。5節までシュート0だったが「前へ行って特徴を出して、必ずやり切ること」と考え方を変えた。6節以降の7試合はシュート13本を放ち、相手に脅威を与え続けている。(3)中村太のドリブル
縦へ仕掛ける姿勢を取り戻した。「ここ何試合か迷ってボールを取られたので、前を向いてプレーしようと思った」と前半から何度も左サイドを突破。後半17分には自陣から4人を抜き去り、後半29分のゴールも1人かわしてから迷わず左足を振り抜いた。前節までのドリブル数はチーム断トツの40回。11試合フル出場を続ける男は、移籍1年目から欠かせない存在となった。
比嘉の初ゴールで、今季の得点者は10人目。過密日程で疲労が蓄積し、ケガ人も増えてきた状況での勝ち点3が持つ意味は大きい。監督が目指してきた「誰が出ても勝てるチーム」になりつつある。【鹿野雄太】



