<J1:磐田1-2浦和>◇第18節◇7月31日◇エコパ
J1は後半戦がスタートし、浦和の日本代表候補DF森脇良太(27)が磐田戦の後半ロスタイムに決勝点を挙げ、チームの連敗を2で止めた。東アジア杯の期間中に誕生日を迎えた磐田DF駒野友一(32)を祝い、宿舎でバースデーソングをプレゼント。その駒野に先制点を決められたが、森脇のシュートは駒野に当たってゴールへ飛び込む“プレゼント返し”。昨季4得点中3得点がロスタイムという「持ってる男」が、浦和を勝利へと導いた。
90分を経過してから森脇劇場が幕を開けた。ロスタイム3分が過ぎた後半48分。槙野のパスを受けた森脇が右足を振り抜く。磐田の駒野に当たり、絶妙なコースに飛んだボールはゴールマウスに吸い込まれた。ボールの行方を確認し、ゴール裏に走りだした。「東アジア杯は優勝できたのは良かった。でも自分はオーストラリア戦しか出ていない悔しさもあった。東アジアで優勝した勢いを、レッズでもつなげて行きたい」。
試合トータルでのパフォーマンスは決してほめられたものではなかった。前半にはパスミスから逆襲を受けそうになると、相手をつかんでイエローカードを受けた。後半には前田のマークにつき切れず決定的なヘディングを許した。それでも最後にゴールで帳尻を合わせた。昨季の全4ゴール中、3ゴールを後半ロスタイムで挙げている勝負強さを発揮した。後半15分からは「正直『マジかよ』と思った」と言う浦和では初の左MFに移った。「最後はいっぱいいっぱいだった」と振り返ったがサイドを何度も駆け上がった。
好きな言葉は「気持ちには引力がある」だ。東アジア杯の期間中は、声と明るい性格で雰囲気づくりをした。チームメートとエレベーターで一緒になれば「優勝だぞ」と呪文のように唱えた。柿谷の3ゴールだけではなく、森脇から広がったチーム全体の気持ちがタイトルを引き寄せた。大会期間中の7月25日には、32回目の誕生日を迎えた駒野主将を、バースデーソングで祝福した。クラブに戻れば敵になるチームメートの誕生日も、チェックするきめ細かさ。この日の試合で、駒野には6日遅れのゴールをプレゼントしたが、最後はお返しをもらった。
視察したザッケローニ監督の目の前で決めた決勝点。「まだまだやるべきことがたくさんある」。次は古巣広島戦。今季の目標を「1人連覇」に掲げる男が、浦和を力強く引っ張る。【高橋悟史】



