<J1:東京2-0大分>◇第19節◇3日◇味スタ

 東京FW渡辺千真(26)は2ゴールを挙げて今季14得点に伸ばし、得点ランキングの首位に浮上した。

 まともにかかっては、東京FW渡辺の突進は止められなかった。後半開始わずか20秒の出来事だった。MF東からの浮き球パスに、ゴールめがけて走った。後方から止めに入った相手DFに体を入れると、相手は身動きがとれない。苦し紛れのファウルは、敵も味方も文句なしのPK獲得。その重厚ぶりとは裏腹に、キックは丁寧に右へ。前半37分の先制点に続くゴールで今季14得点目。持ち味を存分に発揮して、得点ランク単独トップに立った。

 ただ「点取れたことはよかったけど、たくさん外したことの方が悔しい」と渡辺は納得がいかない。3点目を狙いに、勢いづいた後半だけで7本のシュート。1試合トータルでは、異例の2桁を浴びせた。重戦車ばりのドリブルで相手ゴールめがけて突進してシュートを放つ。相手にとってはこれ以上ない脅威となって圧倒した。

 馬力の秘密は食にもある。東アジア杯でリーグ中断していた7月下旬、後輩のDF太田をつれてうなぎランチに向かった。太田がうな重で腹をふくらませているかたわら、渡辺はうな重を平らげた上に、サラダや別メニューを次々と追加注文。太田は「千真君はめっちゃ食いますよ。さすがですよね」と驚いていた。

 得点ランクの後ろを振り返ると、ここ1年で日の丸を1度はつけた選手ばかり。無印選手は渡辺ただ1人。自ら破壊力抜群のドリブルで相手守備網を切り崩し、ゴールも決めるスタイルは、国際マッチでの苦境でも、きっと格好の武器になる。【栗田成芳】

 ▼1試合個人2桁シュート(90分試合)

 東京FW渡辺がシュート10本。J1で1試合シュート10本以上は今季個人最多で、昨年6月16日浦和戦でのG大阪FWパウリーニョ(10本)以来。外国人FWに多く見られる記録だが日本人選手に限ると、FW大黒が05年4月の東京戦で11本のシュートを打って以来、8シーズンぶり4人目(5度目)と非常に珍しい。