清水は27日、三保グラウンドで鹿島戦に向けて非公開で約1時間半の調整を行った。今夏新加入したMF本田拓也(28)が、古巣撃破を誓う。日本平での鹿島戦は、入団1年目の08年にプロ初得点を記録した対戦カードと同じで「チャンスがあれば狙いたいし、この試合を良いきっかけにしたい」とゴールへの意欲も示した。思い出の地の日本平で3連敗を阻止し、復調のきっかけをつかむつもりだ。

 3連敗阻止を懸けた一戦に、古巣鹿島を迎える。この日、公開された冒頭15分の練習では笑顔が自然と引き締まった。意気込みを問われた本田は「意識し過ぎることはないけど、最近まで所属していたし、やっぱり一番勝ちたいチームですね」と胸中を明かした。

 前節浦和戦では、体調不良からの復帰直後ということもあり攻守で精彩を欠いた。前半35分には、CKのこぼれ球に反応。決定的な場面で左足を振り抜いたが、シュートはポストにはじかれた。ただ、90分間フル出場を果たしたことで体調は万全の状態に近づいた。本田は「かなりきつかったけど、1試合やれたことがかなり大きかった。コンディションは良い」と、完全復活を強調した。

 イメージはできている。入団1年目の08年5月11日。ホーム日本平で迎えた鹿島戦で、プロ初得点を挙げた。この1点をきっかけに、不動のボランチとして躍進。一時は、日本代表まで上り詰めた。同じ条件で迎える試合に「縁起が良いというか、悪い印象がない。まずは無失点を心がけて、チャンスがあれば積極的に(ゴールを)狙っていきたい」と力を込めた。

 言葉通り、本田が清水に在籍した08年から11年までのホーム鹿島戦は、チームとしても公式戦4戦負けなし(3勝1分け)と相性抜群だ。今季初の3連敗となれば、鳥栖の結果次第で14位に後退するだけに、本田は「絶対に負けられない。チームとしても個人としても、この鹿島戦で良いきっかけをつかみたい」と語気を強めた。「思い出の一戦」を勝利で飾り、上昇気流を呼び込む。【前田和哉】