<天皇杯:仙台3-0ブラウブリッツ秋田>◇7日◇2回戦◇ユアスタ
宮城・塩釜出身の韋駄天(いだてん)が魅せた。仙台はJFLブラウブリッツ秋田(秋田)に快勝した。前半1分にMF佐々木勇人(30)の移籍後初ゴールとなるミドルシュートで先制すると、後半もFW赤嶺真吾(29)の復活弾などで2点を追加。今季公式戦初の3発で14日のリーグ大分戦にも弾みをつけた。
CKのこぼれ球を拾った佐々木の低空ミドルが、約25メートル先のゴールに突き刺さった。時計は1分も回っていない。ドイツ語で青い稲妻を意味する「ブラウブリッツ」のお株を奪う、電光石火の先制パンチだった。「相手がゾーンディフェンスなので、こぼれ球をフリーで拾えるのは分かっていた。このスタジアムで取れて良かった。サポーターの声援が温かくて、ありがたかった」。狙い澄ました移籍1号は、自身ユアスタ初ゴールでもあった。
昨季、5年間在籍したG大阪がJ2降格。J1復帰を誓った直後、契約満了を告げられた。「お前が移籍しやすいように」。クラブはそう説明したが、戦力外の現実を受け止めるのは簡単ではなかった。そんな時に声をかけてくれたのが、大学時代は練習生としてトレーニングに参加し、入団を夢見た仙台。手倉森監督からはキャンプなどで会うたび「(いつでも移籍できるように)複数年契約は結ぶなよ」と冗談交じりに“オファー”も受けていた。運命を感じて移籍を即決。仙台サポーターからは「(故郷に)戻って来てくれてありがとう」と感謝された。胸が熱くなった。
この日は故障者続出のチーム事情から、G大阪時代以来となるサイドバックでの先発。「5年ぶりくらいかな。意外と楽しかった。最低限のプレーはできた」。右足がつって後半40分に交代したが、無失点でDFとしての役目も果たした。「もうサイドバックをやることはないと思う(笑い)。攻撃的な位置でやれるだろうし、リーグ戦でも狙っていきたい」。まだ1点。暴れ足りない。このゴールは、爆発への号砲だ。【亀山泰宏】



