<J1:鳥栖5-0徳島>◇第1節◇1日◇ベアスタ
鳥栖の元日本代表FW豊田陽平(28)が、W杯逆転出場をアピールする開幕2ゴールを決めた。徳島に大勝。豊田は2年連続の開幕弾を記録し、J1昇格3年目の鳥栖を初めて開幕勝利に導いた。昨年初代表入りしたエースだが、6月開幕のW杯ブラジル大会日本代表入りへは残された時間はわずか。逆転選出を目指して、まずは最高のスタートを切った。
W杯ブラジル大会の23人入りへ、気迫が違った。鳥栖の同僚でライバルのFW池田が3点目を奪うと、豊田は「まずいと思った」。コートジボワール代表FWドログバにあやかり、愛称「トヨグバ」と呼ばれるエースのプライドに火がついた。エンジン全開だ。裏への強引な飛び出しで倒されて得たPKが豊田らしい。3-0の後半15分にきっちり決め、リズムに乗った。
同41分にもMF金民友の縦パスに好反応を示す。猛ダッシュでシュート阻止に迫った徳島GK長谷川を華麗なステップでかわし、ダメ押し点をたたき込んだ。2年連続の開幕ゴールは気持ちの表れ。豊田は「2ゴールできて良かった。(W杯メンバーに)絶対選ばれるようにやる」と、あえて夢舞台を言葉に出した。
モチベーションはそれだけではない。この日対戦した徳島小林監督は08年にJ2山形でプレーした時の指揮官。豊田はFWの技術をたたき込まれ、08年北京五輪の日本代表としての活躍につなげた。その恩師の前で“恩返し”の2得点を挙げた。小林監督も「(豊田は)成長していた。キープや裏への飛び出しができる。すごくチームにマッチしていると感じた」。敵将にパワーアップした姿を披露した。
昨年は得点ランク4位の20ゴールだったが、さらに量産する可能性を秘める。今年は尹晶煥監督が直々にラブコールを送ってまで獲得に動いた元日本代表DF安田や、MF谷口の加入で攻撃力に厚みが出た。この日も、安田が左サイドバックからのオーバーラップで起点になった。豊田は「チャンスはもっとあった。チームを助けられるゴールを挙げていきたい」と意気込んだ。
今年も恒例の山登りクロスカントリーや沖縄キャンプの地獄トレで鍛えられ、コンディションは万全。1万4296人の声援も力に変えた。鳥栖のJ1開幕戦は12年から2年連続で引き分け発進だったが、3年目にして快勝。チームは昨年12位も天皇杯ではベスト4の快進撃。その屋台骨を背負う豊田の活躍からも目が離せない。【菊川光一】




