<J2:栃木0-2磐田>◇第5節◇30日◇栃木グ

 磐田は栃木を下し、今季初の完封勝ちで、J1自動昇格圏の2位に浮上した。前半36分、MF山田が倒されて得たPKをMF松井大輔(32)が自らボールを持ち、キッカーに立候補。右隅に決めて先制し、後半27分にはCKから加点した。前節3失点と崩れた守備陣も踏ん張り、攻守の歯車がかみあってきた。

 2位浮上ののろしを上げたのは松井のゴールだった。前半36分、山田が得たPKで、松井が自分でボールを抱え、キックの位置に向かった。前節福岡戦では、FW前田が得たPKで前田に「蹴りたい」と申し出たが、前田が「じゃんけん」と提案。勝った前田がキッカーを務めた。松井は「(前田)遼一は自分で得たPKだけは自分でいきたいと言っていたので。蹴りたいなという感じでボールを取りにいきました」。相手GKの動きを見極め、右隅に蹴り込み先制点。自身、今季2点目を挙げた。

 0-0の緊迫した場面でのPKにも「若い時はメンタル面で弱い部分があって全然、蹴れなかった。今は年を取って落ち着いて、場数を踏んだ分、気にならない」とベテランの風格を漂わせる。守備陣も、DF伊野波がぎっくり腰から復帰し、今季初完封。開幕黒星と出遅れたものの、ようやく攻守がかみ合い、J1復帰へ勢いが加速してきた。