仙台は29日、ウクライナリーグのFCヴォリン・ルーツィクからブラジル人MFハモン・ロペス(24)を完全移籍で獲得したと発表した。背番号は34。リーグ再開初戦となる7月19日の柏戦から出場可能となる。185センチの長身MFは、初練習後に会見を行い「日本の速いサッカーは好きで、自分の強みである部分」と自信を見せた。パワーとスピードを兼ね備えた左利きの大型助っ人に、得点力アップの期待がかかる。

 迫力抜群の風貌に、大物の予感が漂った。左右のサイドハーフに加えてFWもこなす24歳は「日本の速いサッカーは好きだし、自分の強みである部分。好きな選手は(オランダFW)ロッベンで、自分も同じようなスタイルだと思う」。6年間プレーしたウクライナリーグもJリーグと似たスタイルだったといい、成功に自信を見せた。

 常に挑戦を続けてきた。ウクライナに渡ったのは19歳。国内情勢も悪く「設備面で欠けている部分が多かった」という厳しい環境で戦ってきた。仙台からは2週間ほど前にオファーを受けたといい「日本でプレー経験のある選手から、いいことばかり聞いていた。ブラジル人(ウイルソン)がいるのも心強かった」と初来日にも迷いはなかった。

 渡辺監督が掲げる堅守速攻に、さらなる厚みを加える。指揮官として初の補強に「映像では左利き独特の仕掛けで相手を振り切ったり、シュートを決めていた。(昨季まで所属した)ヘベルチにパワーとスピードを加えた感じ」。強さと速さに加え、正確なキックも獲得の決め手となった。

 右太もも裏痛が回復したばかりで、現在は別メニュー調整中。規定で5日の新潟とのプレシーズンマッチと12日の天皇杯は出場できないため、実戦デビューは早ければ6日のJ2山形との練習試合となる。後半戦への決起集会を兼ねたバーベキュー大会で歓迎されたハモンは「日本人はみんな温かい。聞いたとおりだった」とニッコリ。“日本食”にもすでに挑戦し、カレーライスがお気に入り。「できることは何でもするので、期待してください」という真面目な新助っ人が、力強くゴールに向かう姿を見せる。【鹿野雄太】

 ◆ハモン・ロペス・デ・フレイタス

 1989年8月7日、ブラジル・ミナス州出身。12歳から本格的にサッカーを始める。07年に国内リーグのフルミネンセ入団。08年からクルゼイロでプレーし、ウクライナリーグのFCヴォリン・ルーツィクへ。13年はブルガリアリーグに移籍し、昨季はFCヴォリン・ルーツィクへ復帰。趣味はサッカーゲーム。185センチ、79キロ。