<天皇杯:札幌5-0tonan前橋サテライト>◇6日◇2回戦◇札幌厚別

 次は清水!

 J2札幌はtonan前橋サテライトを破り、3回戦に進出した。前半3分、MF前田の先制点を皮切りに点数を重ね、プロの貫禄を見せつけた。

 大粒の雨が降りしきる中で、最後まで攻め続けた。後半38分、DFステファノ(24)の右からのどんぴしゃのクロスに、DF薗田が頭から飛び込んで5点目。公式戦初出場でアシストを記録したオランダ生まれのインドネシア人は「最初は慣れないディフェンスで少しとまどった。こんな天候の中で最後まで応援してくれたサポーターに感謝します」と、うれしそうに話した。攻撃陣はぬかるんだピッチで相手の4倍以上の27本のシュートを放った。

 守備では札幌で公式戦初出場のDF内山らが体を張った。序盤にミスからピンチを招く場面もあり「よかったのは0点に抑えたことだけ。納得はできません」。それでも財前恵一監督(46)は「最後は抑えられるようになっていた」と試合中の成長をほめた。後半36分には若手GK阿波加がベテランGK杉山に代わって出場。大差がついても、全員が90分間アピールを続け、J1相手の次戦につないだ。

 3回戦は20日、2年連続の16強をかけてアウェーで清水と対戦する。勝ち上がればMF小野伸二(34)の大会登録が可能となり、06年の4強超えも視野に入る。FW丁成勳(35)は後半21分、23分と立て続けにゴールすると「感謝の気持ちを伝えたかった」と、両手を合わせ「カムサムニダ」とスタンドにおじぎした。どしゃぶりの中で声援を送り続けたサポーターへの感謝の気持ちを示すには、この先のリーグ戦、天皇杯で勝利を届け続けるしかない。【中島洋尚】

 ◆天皇杯と札幌

 初出場はJFL時代の96年(3回戦で清水に敗退)で、最高成績はJ2だった06年のベスト4。4回戦で千葉、5回戦で新潟、準々決勝で甲府とJ1勢に3連勝し、準決勝でG大阪に1-2で敗れた。次ぐのは04年の8強で、磐田との準々決勝は延長戦の末、敗れた。昨年は4回戦で甲府に敗れ16強だった。