<J1:C大阪1-2名古屋>◇第25節◇23日◇ヤンマー

 ゴール裏に掲げられた「結果出せ!」の横断幕がすべてを物語っていた。C大阪は今季3度目の連敗。勝てば8月9日東京戦以来、6試合ぶりにJ2降格圏を脱出できるチャンスだったが、J1残留ボーダーラインとなる15位との勝ち点差は2に広がった。

 2点目の失点はDF陣のミスが原因のオウンゴール。FWカカウ(33)の来日初ゴールも空砲に終わった。ドイツ1部シュツットガルトで何度も2部降格の危機を救い、残留請負人として来日した元ドイツ代表は危機感の薄い仲間にカツを入れた。

 「今のチームは負けても、次の日にはこれでいいやという雰囲気になってしまっている。ぬるい雰囲気になるのは致命的。危機感をもっと持たないと降格が現実のものになってしまう。目を覚まさないといけない。プライドをかけて戦ってほしい。ドイツにあって日本にないのはそこ。皆が気持ちを1つにして戦わないといけない」

 前日22日は、C大阪の94年のJリーグ昇格に貢献し、99年に36歳の若さで他界した久高友雄さんの命日だった。スタンドには「久高魂いつまでも」と書かれた横断幕も出された。天国から見守る功労者に白星を届けることもできなかった。

 J2降格圏を抜け出せないまま、残り9試合となってしまった。大熊監督は「下を向いている暇はない」と言った。残された時間はもう、決して多くはない。【福岡吉央】