<J2:札幌3-1岡山>◇第33節◇23日◇札幌ド

 新監督1勝!

 札幌は岡山を下し、節目となるJリーグ250勝に到達した。バルバリッチ監督(52)は就任後3戦目で初勝利。勝ち点を45に伸ばし、プレーオフ圏との勝ち点差は5に縮まった。

 勝利の後、それまでほとんど表情を変えなかった指揮官がベンチの選手、スタッフと握手し、少しだけ笑った。守備陣形を分かりやすくするため、相手に合わせ3-4-3を初採用したが、最大の勝因は戦術面ではない。「今日は選手のメンタルの成長を見られた。1人1人が局面局面の勝負にこだわってくれた」と喜んだ。

 0-3と完敗した群馬戦から中2日。短期間でてこ入れした軸は、意識付けの部分だった。攻撃は「パスを出して止まるな」、守備は「もっと闘争心を出せ」。シンプルな指示は、パスを出した後のサポートが連係を強め、早い寄せは相手ミスを誘った。結果、大量3点での勝利となった。

 バル流の根源は、勝つために「1人1人が責任を持て」。試合前には先発11人それぞれに「やるべきこと」を伝え、送り出す。個々の役割を定め、まい進させる指導法は、選手にも「分かりやすい」と好評で、札幌のシーズン途中就任監督では最速タイ、3戦目での白星となった。メモリアル250勝が初勝利という“おまけ”付き。残り9試合、この勢いを生かし、まずはプレーオフ圏入りを目指す。【永野高輔】