アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(29=バルセロナ)が代表引退を表明した。南米選手権決勝でチリに敗れ、「これで代表では終わりだと思う」と決意したという。
ここまでW杯や南米選手権で何度も決勝まで進みながら優勝することができず、母国メディアなどから散々たたかれてきた。とはいえ29歳での代表引退は早すぎる。
この日の決勝戦でメッシの前に立ちはだかったバルセロナでのチームメート、チリ代表GKクラウディオ・ブラボ(33)は、周囲がメッシ1人に責任を押しつけすぎているという意味を込めて「サッカーはチームワークのスポーツ」と強調した。
「勝った時は全員の勝利だし、負けた時は全員に責任がある。僕らも今大会のはじめの試合で特定の選手に批判が集まったけど、サッカーはチームスポーツなんだ」と話し、「メッシにはまだ何年もアルゼンチン代表としてプレーし続けてほしい」と代表引退を考え直すことを希望した。
ブラボの他にもメッシの翻意を期待する声は多い。
「小さな天才が心変わりして、僕らにもう1回W杯でプレーする姿を見せてくれることを期待する」(元イングランド代表ゲーリー・リネカー氏)
「メッシが18年W杯ロシア大会でプレーするかどうか聞かれたら、イエスと答えるかもしれない」(米スポーツ・イラストレーテッド誌シニアライターのグラント・ウォール氏)
「レオが(代表引退について)話したのは優勝するチャンスを逃して、興奮状態にある時だったから。彼のいないアルゼンチン代表は考えられないし、もう1度考え直してくれると思う」(アルゼンチン代表GKセルヒオ・ロメロ)
現実問題として2年後にはW杯ロシア大会が控えている。この日、メッシと仲の良いFWセルヒオ・アグエロ(28=マンチェスターC)は自身を含めた他の数人も代表引退を考えていると示唆した。
本当にそうなってしまったら、アルゼンチンがロシアで勝つ可能性はほとんどなくなってしまうだろう。まずはアルゼンチン協会がバルセロナなどともよく話し合い、メッシを翻意させるように働きかけるべきだろう。
【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)