昨季まで、吉田麻也が所属するサウサンプトンを率い、今季からエバートンを指揮するロナルド・クーマン監督(54)に批判が集まっている。

 エバートンは1日、リバプールとの「マージーサイド・ダービー」に1-3で完敗。敵将クロップ監督に「就任以降、同ダービー戦で3連勝した初めての監督」という称号を与えてしまった。

 クーマン監督は潔く負けを認めてピッチを去れば良かった。だが試合後のインタビューで余計なことを言ってしまった。

 自軍のイングランド代表MFバークリーが、リバプールのDFロブレンの左足首に見舞った激しいタックルについて聞かれると「フットボールでは普通のプレー。向こうのルーカスレイバだってやっていた。でもフットボールでは良くあることだ」と擁護した。

 その上で相手のクロップ監督らコーチ陣を批判。「向こうのコーチたちの態度は気にくわない。主審や副審に向かってずっと叫んだり、タックルについて文句をつけたり。たかが1回のタックルだぞ。ヤツらは狂ってるのか? ピッチにチームドクターを入れることすら必要なかった」とぶちまけた。

 ただ、少なくともここまでだったら「クーマン対クロップ」のけんかとして、英メディアに面白おかしく書かれるだけで済んでいただろう。

 ところがクーマン監督は最後に本当にいらないことを言ってしまった。「これは男のスポーツだぞ。男らしく振る舞え! 」。

 この言葉が女性差別だと、インターネットを中心に同監督への批判が殺到した。ツイッターには次のような言葉が次々に書き込まれた。


 「エバートン・レディースのみんな。ボールを蹴るのをやめて、キッチンに入ることなんてできる? フットボールは男のスポーツだそうだ。クーマンに聞いてみな」

 「本当にむしずが走るコメントだ」

 「クーマンは勘違いしているし、恥ずかしいヤツだ」

 「17年最もバカげたインタビュー賞候補」

 「本当にみっともない。上品さのかけらもない」

 「エープリルフールもほどほどにしろ」


 一気に女子サッカー界全体を敵に回したクーマン監督。いっそのこと反省の意味も込めてエバートン・レディースのコーチでも買って出て、女子サッカーについてもっと知ってもらった方がいいかも。

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)