人の不幸をいつまでもいじって楽しむというのは洋の東西を問わず、一緒のようだ。23日、マンチェスターUを解任されたデービッド・モイズ監督(50)がLMA(イングランド・リーグ監督協会)を通じて声明を発表。共同通信も次のような短い原稿を配信した。


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 サッカーのイングランド・プレミアリーグで、香川真司が所属するマンチェスター・ユナイテッドを解任となったモイズ監督が23日、声明を発表、「世界有数のクラブを率いるという、かけがえのない経験ができた。私を歓迎してくれたチームのスタッフやファンに感謝したい」などとコメントした。

 自身を監督に推薦したファーガソン元監督にも「私の能力を信じてくれてありがたい」感謝し、「チームを欧州チャンピオンズリーグの準々決勝に導いたのは誇り」と振り返った。

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 同監督のふがいなさをさんざん記事にしてきた私ですら「解任されたことだし、もう重箱の隅を突いてモイズ監督へ批判的な原稿を書かなくても良いのではないか」と思っていた。いろいろあったが、最後は笑ってサヨナラで良いのではないかと。その矢先、英メディアが同監督の声明文に一斉にクレームをつけた。

 なんと「スタッフやファン、ファーガソン元監督に感謝の言葉を述べているのに、選手に対してはひと言もない」というのである。何か日本人が付けそうな言いがかりに、思わず失笑してしまったが、英デーリーメール紙(電子版)がモイズ監督のコメントを勝手に翻訳!? して記事にしているので紹介したい。

 (1)「長い成功の後で指揮を執るのは大変な挑戦になることは分かっていたが、私は就任をためらわなかった」→(デーリーメール訳モイズ監督本心)「もう1度よく考えるべきだった。いや1度と言わず、2度、3度。ファーガソン監督の後任? オレは気が狂っていたのか」

 (2)「マンU監督という仕事のスケールは莫大(ばくだい)だ。だが懸命に取り組んだし、コーチ陣にもそれを求めた。彼らの忠誠心に感謝したい」→「少なくともコーチたちは忠実だった。選手たち? 彼らは私の自己啓発本を見て嘲笑したり、子供のような言葉で私を侮辱する時以外は忠実だった」

 (3)「チームは過渡期にあり、パフォーマンスと結果はマンUとファンが求めるものではなかった」→「(2点を取られた20日の)エバートン戦の前半について『選手は良くやった』とだけコメントしたのは、話を省略し過ぎたかな」

 (4)「監督は常に学び続けるもの。かけがえのない経験ができた」→「泣き言ばかり言っている選手たちの希望がまかり通る。学んだのはそれだけだ」

 (5)「ファーガソン元監督に感謝したい」→「私は必ず彼に仕返しする。生きているうちに、いや来世でも。友だちだと思っていたのに」

 といった具合に、まあこれでもかというくらいボロカスに書かれており、思わず同情したくなる記事だ。ただ「解任でも500万ポンド(約8億8165万円)の収入は保証される。彼に同情するな」的な原稿も英メディアのあちこちに掲載されており、「それもそうかな」と思ったりもする。