ドルトムントの日本代表MF香川真司(26)が、視察に訪れた日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(62)の前で大活躍した。フランクフルト戦にトップ下でフル出場。2戦連続今季4点目のゴールを決めて、チームを2連勝に導いた。香川の2戦連発は前回ドルトムントに所属していた12年3月以来、約3年ぶりだった。フランクフルトのMF長谷部誠(31)はフル出場、MF乾貴士(26)は後半34分から途中出場した。

 香川が勝負強さを発揮した。代表の指揮官が観戦に訪れたその日に、3年ぶりとなる2戦連発を決めた。1点リードの前半32分。右DFドゥルムからのパスを受けたFWオバメヤンが右サイドをドリブル突破。速いゴロのクロスをゴール前へ入れると、並走していた香川がスライディングしながら左足で押し込んだ。

 ハリルホジッチ監督は、先月14日のJ1、J2実行委員会で「ACミランだろうが、インテルミラノだろうが『代表でプレーしたければ、席(定位置)を奪え』と要求する」と話した。海外組であっても、レギュラーでなければ使わないという宣言だった。そんな指揮官の目前で、主力としてドルトムントをけん引した。

 ハリルホジッチ監督は就任当初、「選手の中に自信を失っている人もいる。2、3年前はもっと良い選手だと思っていた」と暗に香川について言及してもいた。前節パーダーボルン戦で今季3点目を挙げた際、香川は「喜んでる場合じゃない。いかに2点、3点と取っていくかが一番大事」と話した。「もっと取ってやろう」という熱い気持ちが込められたこの日のゴールは、代表監督への強烈なアピールとなった。【鈴木智貴通信員】