スイスの検察当局が25日、横領や背任の疑いで国際サッカー連盟(FIFA)のブラッター会長の捜査を始め、事情聴取したと発表したことを受け、各国メディアは批判的に報じた。

 英BBC放送(電子版)は、ブラッター会長に捜査が及んだことについて「驚くことではない。彼はさまざまな疑惑の象徴」と論じた。ドイツ紙フランクフルター・アルゲマイネ(電子版)は「解体せよ!」の見出しを立てて「新たな連盟の設立が必要だ」と報じ、FIFAの抜本的な出直しの必要性を指摘した。

 検察当局の声明によると、ブラッター会長は2011年2月、欧州サッカー連盟(UEFA)のプラティニ会長にFIFAの資金200万スイスフラン(約2億4800万円)を不法に支払ったことや、05年にカリブ海サッカー連合と結んだ契約がFIFAの利益に反する行為だったことを疑われている。

 BBC放送によると、ブラッター会長の弁護士は「契約は適切で不正はなかった。スイス当局は捜査によって、それを確かめるだろう」との声明を出した。来年2月に行われる新会長選挙への出馬を表明しているプラティニ会長は、証人として当局から事情を聴かれた。BBCによると「全てのことを明確にできた」とコメントした。