DF酒井高徳(26)が所属するハンブルガーSVが、2部降格のピンチに陥った。アウェーでFW宇佐美貴史(24)の所属するアウクスブルクに0-4で大敗し、入れ替え戦圏内の16位に後退した。

 酒井はダブルボランチの一角でスタメン出場。前半7分に自陣でボールロストし、ピンチを招くなど、不安定なプレーが何度かあった。同11分、FWアルティントップからボールをカットしたが、コントロールしきれずにタッチアインを割る。攻撃ではクリアが手いっぱいな展開となった。

 後半開始からシステム変更に合わせて右ハーフに入ると、パスを引き出して攻撃のリズムを作ろうとするが、思うようにいかない。同18分、選手交代によって今度は左サイドバックへ。同21分、相手ロングボールをクリアミスし、ピンチになりかけるがDFパパドプロスがカバー。同34分、左サイドからの右足クロスは長すぎて誰にも合わなかった。終盤は前線まで上がり、サイドで攻撃の起点を作ろうとしたが効果的なプレーはできなかった。

 ハンブルガーSVは16位と入れ替え戦に回る位置に立ち、2部降格が決まる1つ下の17位インゴルシュタットとは勝ち点4差。ハンブルガーSVは54年の歴史を持つブンデスリーガで唯一、2部降格を経験していないチームだ。その名門チームの危機に直面し、主将の酒井はうつむいたまま控室へと戻った。着替えた後にミックスゾーンの前を通ったが、手で「今日はなし」のジェスチャーをしただけで静かに去った。

 一方のアウクスブルクは勝ち点35の13位へ浮上。12位のレーバークーゼンから16位ハンブルガーSVまで、勝ち点3差にひしめく大混戦となった。宇佐美はベンチ外だった。

(中野吉之伴通信員)