神戸が、日本代表FW大久保嘉人(26=ボルフスブルク)への復帰要請を検討していることが21日、分かった。チームは公式戦8試合で7得点と深刻な得点力不足で、今年1月にボルフスブルク移籍も、3月以降は公式戦出場わずか24分と出番を失っている大久保を、Jリーグが中断する6月に獲得するため調査を始めた。ボルフスブルクが移籍を容認した場合に限り、ブンデスリーガの08-09年リーグ最終節5月23日のブレーメン戦後にも、正式オファーを出す方向だ。

 ただし、獲得には障害も少なくない。大久保はボルフスブルクと11年6月末まで異例の長期契約を結んでおり、獲得には220万ユーロ(2億8600万円)近い違約金が発生する。さらにチームは現在ブンデスリーガ首位で、来季の欧州チャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得する可能性が高く、大久保も欧州CL出場を希望している。

 その一方で、ボルフスブルクは得点ランクトップのグラフィッチ、同5位のジェコと強力2トップを擁しており、大久保が来季編成から漏れれば移籍交渉はスムーズに進むとみられる。

 現在リーグ12位に沈む神戸は来季のACL出場という目標がある。大久保の約半年ぶりの復帰が実現すれば我那覇、マルセウ、吉田らFW陣の能力を引き出す相乗効果も期待できる。今後は神戸だけでなく、他のJクラブも獲得に乗り出す可能性もあり、大久保の行方に注目が集まる。

 [2009年4月22日8時46分

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