Rマドリードが、ACミランのブラジル代表MFカカ(27)の獲得に成功した。スペイン、イタリア両国メディアが報じたもので、レアルはペレス会長と親交の深いミランのガリアーニ副会長、カカの父親で代理人のレイテ氏を2日にマドリードへ招いて交渉。移籍金6850万ユーロ(約92億4750万円)年俸950万ユーロ(約12億8250万円)の5年契約で合意したという。「第2次銀河系軍団」構築へ、レアルが動き出した。

 「白い巨人」レアルが、片思いだったカカを金で強奪した。ペレス会長に招かれ、ガリアーニ副会長、カカの父レイテ氏らミラン関係者が2日にマドリード入り。夕食をともにし、4時間にわたって交渉した結果、巨額オファーに折れる形で両者は大筋で合意に達したという。

 現地メディアによると、移籍金は01年ジダンの7580万ユーロに次ぐ、史上2番目の6850万ユーロ。1億ユーロ(約135億円)には達しないが、昨秋から続く経済不況の中、「金庫事情」が苦しいミランにとって文句のない金額だ。ベルルスコーニ会長は「ほかのクラブがあまりにも破格な値段でオファーしてくるので、カカをミランにとどめることは難しい」と話し、移籍やむなしの姿勢を打ち出した。

 カカは数日前に「ミランを離れるつもりはない」とクラブ愛を強調した。しかし、今年1月にマンチェスターCから移籍金1億ユーロでの獲得オファーが届いた際、ミラン側が交渉の席に着こうとしたことに不信感を抱き、陰で「もし僕がミランを出るならレアルへ行く」と漏らしていた。やはり獲得を狙ったチェルシーのアブラモビッチ・オーナーは「我々もガリアーニ副会長に電話したが、『一足遅かった』と言われた」と証言。もはやカカのレアル移籍は正式発表を待つだけのようだ。

 今月1日にペレス氏が会長職に復帰。ジダン、フィーゴ、ロナウド、ベッカムら世界的なスーパースターをかき集め「銀河系軍団」を形成したらつ腕ぶりを、早くもみせつけた。うわさされるC・ロナウドはもちろん、ジダン氏をアドバイザーとして入閣させたことで、フランス代表MFリベリーの獲得まで現実味を帯びてきた。欧州CLで5季連続で8強入りを逃し、レアルは名門復権へ本腰を入れた。今回のカカ獲得は、「第2次銀河系軍団」への号砲にすぎないようだ。(波平千種、山本孔一通信員)

 [2009年6月4日7時42分

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