<欧州CL:バイエルン2-1マンチェスターU>◇30日◇決勝トーナメント準々決勝第1戦◇ドイツ・ミュンヘン

 【ミュンヘン(ドイツ)=中野吉之伴、春日洋平通信員】マンチェスターUのイングランド代表FWウェイン・ルーニー(24)が、右足首を負傷した。準々決勝第1戦のバイエルン戦の終了直前に相手と接触した際にひねった。一夜明けて英国のスポーツ専門テレビ局スカイスポーツは「初期段階の診断では強度のねんざで全治2~4週間」と伝えたが、全治などは帰国後の精密検査で判明する。左アキレス腱(けん)を断裂したMFデビッド・ベッカム(34)に続いてイングランド代表のエースが離脱してしまうのか。

 1-1の引き分けとみられた後半ロスタイム、ルーニーが負傷した。バイエルンFWマリオ・ゴメスを後方から追った際、左足が相手の右足と接触し、バランスを崩して右足首をひねった。スパイクを脱いでスタッフの肩を借りてピッチを離れ、会場を離れるときは着脱式ギプスで患部を固め、松葉づえを突いていた。

 ファーガソン監督は「それほど深刻なものではないようだ。(3日の)チェルシー戦は難しいかもしれないが、現時点では何とも言えない」と話した。しかし、英各紙は敏感に反応。ルーニーは4年前のW杯ドイツ大会の開幕40日前に右中足骨を骨折しており、その悪夢と重なるような負傷に31日付の英各紙は「右足首靱帯(じんたい)損傷でも重度なら今季絶望の可能性もある」などと伝えた。ザ・サンは「PRAY(祈れ)」、タイムズは「イングラド最悪の悪夢」との見出しを付けて、大きく報じた。

 複数の英ブックメーカーはイングランド代表のW杯優勝オッズを6倍から7倍に変更するなど、周囲は深刻に受け止めている。

 ルーニーはバイエルン戦で前半2分に先制ゴールを決め、今大会5点目、今季通算34点目を挙げた。マンUはもちろん、イングランド代表でも欠くことのできない選手だけに、精密検査の結果は、英国はもちろん全世界から注目される。

 試合から一夜明けて、マンUはミュンヘンから帰国の途に就いた。マンチェスターに戻ってから精密検査を受けるルーニーは1人では歩けず、空港では車を飛行機に横付けして乗り込んだ。スカイスポーツは「初期段階の診断では強度のねんざで全治2~4週間」と伝え、仮にこの程度の負傷ならW杯には間に合う。だが、精密検査の後にならないと、正確な全治など負傷の詳細は判明しない。

 [2010年4月1日9時38分

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