元日本代表監督のジーコ氏(58)が、イラク代表監督就任について、同国協会と合意した。22日、ロイター通信のインタビューに「すべての条件で合意し、契約書の草案を向こうに送った。あとはサインをするだけ」と説明。25日にもバグダッド入りしたい意向を示した。

 イラクは14年ブラジルW杯出場を目指し、アジア3次予選A組でヨルダン、中国、シンガポールと対戦する。ジーコ氏の初采配は9月2日ヨルダン戦になる見込み。住居は隣国トルコに近いイラク北部に構え、スタッフとして86年にイラク代表を指揮してW杯に初出場させた兄エドゥ氏、フィジカルコーチのサンターナ氏ら「ジーコファミリー」も連れて行く。契約はW杯予選が終わるまでの約2年。当初、イラク協会からは2018年までの異例の長期契約を打診されていたが、予選に集中したいジーコ氏は「大きな挑戦。精力的に働いて、すべてのことを乗り越えていきたい」と、予選突破に意欲を見せた。

 ジーコ氏はブニョドコル(ウズベキスタン)の監督に就任した08年、同国代表のアドバイザーにもなり、南アW杯最終予選で日本と戦ったウズベキスタンに助言を送った。その結果、日本はホームで負けに等しい引き分けに持ち込まれた苦い経験がある。今回もイラクが3次予選を突破した場合、ジーコ監督が日本にとっての高い壁となりそうだ。