広島からイングランド2部サウサンプトンに移籍する日本代表FW李忠成(26)が16日、広島市内で会見し、新天地での意気込みを語った。推定年俸1億円で、契約は2年半。早ければ21日に渡英する。<李一問一答>

 -移籍を決めた理由は

 李

 自分のサッカーキャリアを考えた時に最盛期は28、29歳になる。逆算したときに最後の海外チャンスと思い決断した。

 -広島での2年半は

 李

 つらかった。つらかったけど最後はとても良い形で得点も取れたし、ビッグアーチで多くのサポーターとともに勝利やゴールを共感できた。1年半かな、スタメンで出られず、耐え抜いたことが大きい。最終的に日本代表になれたことは良かったが、それがなければ最低な時間を過ごしてしまった。サッカー選手として価値がないこと。年俸をもらっているのに仕事で応えられていないことが、選手としても屈辱的だった。

 -広島で一番思い出に残る試合は

 李

 (10年9月18日の)神戸戦のゴール。初めて先発出場した試合でチャンスをつかんだ。

 -新天地の印象は

 李

 時間がゆったりと流れていた。人もチームメートも受け入れてくれた。とても良い街。サッカーしかないと思う。遊ぶところはないんで。

 -日本代表FWとしてどのように貢献したいか

 李

 日本人FWが海外で活躍できていない歴史がある。自分の場合はアジア人として、アジア人でも海外でFWとして活躍できる可能性を見せられたら良い。半か丁か出るサイコロを振れる舞台に立てることが楽しみ。

 -イングランドを選んだ理由は?

 今まで日本人は活躍出来ていない。

 李

 世界一のリーグだと思うから。やるなら世界一のリーグで。今はチャンピオンシップ(2部)だが、昇格すればプレミアだし。(元韓国代表MF)朴智星だったり、すごく活躍している。日本人と言うよりアジア人という感じで、パワーアップして活躍したい。

 ◆李忠成(り・ただなり)1985年(昭60)12月19日、東京都生まれ。東京ユースから04年にトップ昇格し、同年にU-19韓国代表候補入り。05年柏へ移籍。07年2月9日に日本国籍を取得し、同月にU-22代表合宿に初招集。北京五輪予選で8試合4得点。09年のリーグ戦途中に広島移籍。J1通算147試合42得点。昨年1月のアジア杯でフル代表に初招集され、決勝のオーストラリア戦で優勝を決めるボレーシュートを決める。182センチ、74キロ。