<W杯欧州予選:スペイン2-0グルジア>◇I組◇15日◇アルバセテ

 W杯ブラジル大会予選が各地で行われ、欧州ではW杯連覇を狙うスペインが10大会連続14度目の出場を決めた。大黒柱MFイニエスタを中心に、グルジアを下し、6勝2分けの無敗で首位突破した。デルボスケ監督は若手を起用する余裕も見せ、本大会でも優勝候補の一角であることを印象づけた。

 スペインは貫禄たっぷりの出場権獲得だった。デルボスケ監督は「簡単ではなかったが、W杯出場は確信していた」と、余裕の表情だ。34、38年のイタリア、58、62年のブラジルに続くW杯連覇へ、挑戦権を正式に手に入れた。

 先制点を導いたのは、前回大会でも主役のイニエスタだった。前半26分、左サイドで球を持つと中央のFWペドロとワンツー、中へ折り返し、詰めていたFWネグレドは軽く左足を合わせるだけでよかった。会場のあるアルバセテはイニエスタの故郷で、観客のボルテージは最高潮に。「ブラジル行きを決めるのに、ここ以上の場所はない」と、喜んだ。

 08年欧州選手権優勝から強さを維持し続けると同時に、主力選手もプレースタイルも大きな変化がなく、ベテランも故障がちになった。そんな中、11日のベラルーシ戦から先発6人を入れ替え、細かいパス回しだけでなく、両サイドが起点となる攻撃も連発した。後半にはともに21歳MFのコケ、イスコを投入。ブラジル生まれのAマドリードFWジエゴコスタが、スペイン代表入りを選択するという話もある。本大会では新たな「無敵艦隊」の姿が披露されそうだ。(山本孔一通信員)