<ブンデスリーガ:ドルトムント4-2マインツ>◇19日◇ドルトムント

 【ドルトムント(ドイツ)20日=栗田成芳、鈴木智貴通信員】マインツの日本代表FW岡崎慎司(28)が、欧州日本人記録を視野にとらえた。2位ドルトムントとのアウェー戦で今季5度目となる2ゴールをマーク。チームは2-4と敗れたものの今季13点とし、2季前にドルトムント所属の香川真司が記録した日本人シーズン最多得点に並んだ。残り3試合での新記録達成に大きな期待を持たせた。

 欧州日本人記録に並ぶだけでは満足しなかった。2ゴールを演じた岡崎は「取りあえず、あと1点取ったら何か残ると思う。自分が欧州でやっていた記録というか。ここまできたら取りにいきたい」。今季13点目を決め、香川に並ぶ日本人記録。この試合を「ファンタスティックなものだった」と評したビルト紙は、チーム最高となる2(1が最高の6段階)に評価した。

 落ち着いているというよりも堂々たるプレーぶり。1点目は「DFが下がるのがちょっと見えたんで感覚で振り向いて打った」と放ったミドルシュートで決めた。バックパスを奪った2点目は「いつも狙っていること」。がむしゃらにやりながらも、しっかりと相手も見続けた90分間。裏を狙いながらも、スペースがあれば引いて受ける。相手が寄せれば1タッチでかわして展開する。

 W杯1次リーグ同組のギリシャ代表DFパパスタソプロスがいる守備陣を前に、臆するどころかしたたかに戦った。ただ本音は「ハットトリックしたかった」。今季5度目の2得点だっただけに、悔いも残る。その分、後半22分には相手のCKから許したヘッドを、ゴールライン上で倒れ込みながらブロック。前半13分には「顔面ブロック」でミドルシュートを防ぐなど、2点以上の働きをした。

 残り3試合で2チームは下位に沈む相手。新記録に期待は膨らむ。「ここからは積み重ねるだけ」と勢いを止めるつもりはない。