<山口国体>◇10日目◇10日

 成年男子400メートルは中野弘幸(22=愛知教育大)が46秒38で優勝、渡辺和也(23=東北福祉大)が46秒43で2位に入った。地方大学の大学院生2人が、高瀬慧(22=富士通)と石塚祐輔(24=ミズノ)の世界陸上1600メートルリレー代表を抑えた。

 中野は昨年までは無名の存在だったが、7月に出した45秒97は今季日本3位の記録。先月の日本インカレにも優勝した。来年のロンドン五輪に向けて「自分は駄馬ですが、サラブレッドの方たちに食らいついて、こっそりと負かせてやろうと思っています」と意欲を示した。

 宮城県を拠点とする渡辺は被災地でボランティア活動を経験。「福祉大学ですから被災された方の話し相手になったり、高齢者の方にマッサージをしたりしました」。ロンドン五輪に向けては「大きな夢も掲げたいところですが、地に足をつけて少しずつ力をつけていくことを考えています」と控えめだ。だが、大学2年まで走り幅跳びが専門でバネが魅力の選手。五輪代表争いに異色選手が加わってくるかもしれない。