<高校総体:陸上>◇29日◇沖縄総合運動公園陸上競技場◇女子やり投げ

 東大阪大敬愛・佐藤友佳(3年)が、高校記録を2メートル78も更新する57メートル31の高校新でインターハイ初優勝を飾った。

 責任感が佐藤の闘志に火をつけた。競技直前、女子400メートル決勝で同僚の上山美紗喜(3年)らが優勝を逃した。「上山に優勝してもらうつもりだった。この分も取り返そうと気合が入った。昨年に比べて筋力と技術面に加えて、投げ込みも行った。昨年の日本選手権やアジアジュニア大会でトップ選手と投げ合った経験が生きた」と、目標に掲げた高校記録更新で堂々の優勝を飾った。

 日本歴代4位となる高校新をマークした最後の6投目は、明らかに記録を意識していた。投てき前に「投げるよりも緊張したかも」と、競技人生で初めて観客に手拍子を求めた。観客席にも駆け寄り、緊張をほぐすため、仲間からのアドバイスを求めた。「くだらないギャグで笑って、リラックスできた」。全力で投げた矢は、中継カメラが追いつけないほど高く遠くへ飛んだ。

 高校1年の春に顧問から勧められ始めた競技。「最初はひじとか痛くて嫌だったけど、やめなくて良かった。もっといい記録を目指したい」。8月2日に行われる砲丸投げとの2冠を目指し、佐藤が最高のスタートを切った。【谷口輝博】