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 ケニア人留学生初の箱根駅伝監督-。桜美林大学は22日、都内で新設する陸上部駅伝チーム監督に、90年代に箱根駅伝で名をはせた真也加ステファン氏(40)が1日付で就任したことを発表した。同部は現在、16人の部員がいるが長距離部員は不在。文字通りゼロからのスタートで、創立100周年の21年に箱根駅伝入賞を目指す。

 真也加新監督は山梨学院大時代に、箱根駅伝で4年連続花の2区を快走。早大・渡辺康幸(現早大監督)らと死闘を演じた。99年12月に世界陸上女子マラソン代表だった盛山玲世さんと結婚。05年8月に日本国籍を取得した。

 今後、全国の高校を回り有望選手を探す。「真面目で、心の強い子に来てほしい。距離を踏まないとだめとか30キロ走をしないと…ではなく、選手に合った練習が大事」と指導方針を話した。さらに長距離トラック選手の育成にも言及し「1万メートル27分台の学生を育てたい」とリオ五輪の日本代表輩出を目標に挙げた。

 山梨学院大の上田監督からは「箱根駅伝に出た留学生が監督として箱根に出れば初めて。チャレンジだ」と勧められた。大学のカラーから、たすきの色はライバル早大と同じエンジになるが、果たして夢の成就はいかに…。

 ◆真也加ステファン(旧名=ステファン・マニャング・マヤカ)1972年11月27日生まれ。90年にケニアから交換留学で山梨学院大付高入学。92年4月に山梨学院大へ進み箱根駅伝は1年時の93年から4年連続で2区を走り連続区間賞、2位、3位の快走で2、3年時の総合優勝に貢献。卒業後はダイエー、日立電線で競技。06年から群馬・高崎の創造学園大陸上部でコーチ、監督を歴任。家族は夫人と1女1男。

 ◆学校法人桜美林学園

 1921年に中国・北京に崇貞学園として創立、46年に財団法人桜美林学園として認可。系列校は幼稚園、中学、高校。建学の精神は「キリスト教主義に基づく国際人の育成」で学園のモットーは「学而事人(がくじじじん)」。所在地は東京・町田市など4カ所。在籍者数は大学院生含め9039人で留学生は518人(12年5月1日現在)。三谷高康学長。