フィギュアスケートの世界選手権(中国・上海)で2位となったソチ五輪金メダリストの羽生結弦(20=ANA)が29日、エキシビションを前に一夜明け会見を行った。

 今季は昨年11月に同じ会場で行われた中国杯で衝突事故に見舞われるなど、度重なるアクシデントを経験しながら闘い抜いた。1番危機感を感じた時を聞かれると、やはり中国杯の経験を挙げた。試合は何とかフリーを滑りきったが「アドレナリンがなくなって、興奮状態から冷めて、10日ほど経った後に初めてリンクに立ったときに『これはだめかも』と思った」という。それでも自らを振り立たせたのは、負傷しながらも滑りきって手にした2位という結果。「中国で滑ってああいう結果を頂いたからこそ、僕はあきらめないでGPファイナルに行きたいと思えたと思うし、あれで順位が悪かったら今季は僕は何もできないで引きずって、シーズンを棒に振っていたのではないかなと思います」と振り返った。

 今季はショートプログラム(SP)、フリーともに後半に4回転ジャンプを組み込む構成だったが、ケガの影響で断念せざるを得なかった。来季に向けては、「挑戦したいと思ってます。それも体と相談しながら。ただ夏には絶対に追い込むと思うので、また自分自身も楽しみにしながら頑張りたい」と話した。